今日のネタ 『親子酒』

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     大酒飲みの親子。せがれの将来を心配したおやじ、お互いに禁酒をするという提案をする。せがれもこれを承知してしばらくはお互い禁酒を続けるのだが、これも10日も過ぎれば怪しくなってくる。

     せがれが出掛けて留守になったある日、おやじはかみさんを呼んで、「昼間疲れたから、なにか疲れが抜けるものはないか」と言い出す。かみさん、「じゃあ、唐辛子なんか・・・」。「ちげぇ、こうくっと飲めるもんだ。たった一杯でいいから出せ。」
    せがれが帰ってきたら言い訳できないとごねるかみさんをむりやり説き伏せ、銚子一本を持ってこさせる。酒飲みのおやじが銚子一本で満足するわけもなく、もう一本、もう一本と言っているうちにベロベロに酔ってしまう。

     そこへせがれが帰ってきた。さすがに慌てたおやじは膳を片づけ、酔いをごまかそうと無理に座り直す。おやじの前にやってきたせがれ、こちらもグデングデンになっている。なんでも、ひいきの旦那に飲めと勧められるのを、おやじとの男と男の約束は破れないと断ったところまでは良かった。そこでひいきのだんなが「偉い。その意気に乾杯。」と結局乗せられ、2人で二升五合を飲んでしまったとか。
     それを聞いたおやじ、「それじゃ困りますな。跡継ぎがこんなんじゃ。うん、ちょっと、婆さんや。こいつの顔がさっきから三つに見えますよ。きっとこいつは化け物だ。こんな奴に大事な身代は渡せませんよ。」と言うと、それを聞いたせがれ、

    「あたしだって、こんなにぐるぐる回る家は欲しくない。」


     なんとも馬鹿らしくって軽く聴ける噺であります。寄席でも結構聞く機会が多いネタだと思うんですが、それは最も落語的な噺の一つだからというのも理由じゃないでしょうか。お酒が出てきて失敗する噺は沢山ありますが、酔っ払い2人のすれ違いが何とも言えなく滑稽で特に好きな噺ですね。
     やはりこれを演じるのは酒飲みの噺家が多いんでしょうね。DVDやCDに残っているものでは、5代目小さん師匠が抜群のようです。小さん師匠自身もかなりの酒飲みだったようですし、そりゃぁ抜群だったというのも分ります。他に10代目桂文治師匠のもの、ちょいといい加減な演出の志ん生師匠の音源がいいらしいですね。
     こうやって、残っている音源を調べてみると、なんと名人といわれる師匠方を聴いていないのかと実感してしまいますね。

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