今日のネタ 『新聞記事』

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     慌て者でちょっと抜けている、お馴染の八五郎。今日もご隠居のところでバカを言っていると隠居に「おまえ、新聞は読むか」と聞かれる。
    「新聞は月初めに一ヶ月分」と八五郎。あきれた隠居、「それじゃあ、今朝の新聞見てないな。」
     急に声を低くして喋りだす隠居。
    「お前の友達の天ぷら屋の竹さんの家に昨夜泥棒が入ったらしい。
    その泥棒に竹さん殺されたよ・・・。竹さん、死んじまった・・・。」
     それを聞いてビックリした八五郎、その詳細を隠居から聞き出す。

     「なんでも、竹さんが寝ているとガサガサ枕元で物音がする。そこで電気をつけると目の前には身の丈六尺はあろうかという大男。この大男、竹さんが気付いたのを知ると日本刀を抜いて、「静かにしろ!」。が、剣術の心得がある竹さん、護身用の樫の棒を取って少しも怯まない。が、これがいけなかった。逆上して切りつけてきた泥棒をヒラリとかわして馬乗りになったところまでは良かった。縛ろうとする竹さんを、泥棒は下からあいくちで胸元を刺す。これが致命傷。
     立ち回りの音で気付いた家人たちが大騒ぎになると、泥棒はすぐに逃げ出した、という訳。

     しかし、悪いことはできないもんだ。逃げ出した泥棒は五分も経たないうちにアゲられた。それもそのはず、泥棒に入った場所は天ぷら屋・・・。」

     竹さんが殺されたというのは全くウソ。隠居の落咄でからかわれた八五郎はこれにすっかり感心し、自分でもやってみたくなった。
     誰かにこの噺をしたくて堪らない八五郎、つい当の本人である竹さんにこの話をしてしまい、ほうほうの体で逃げ出す。懲りずにもう一人の友達の家に上がり込み話を始める八五郎だが、ところどころ間違ってばかりで話が進まない。それでもようやく最後のオチの部分にたどり着くが、肝心の「アゲられた」という言葉が出てこない。それを見ていた友達、先に「アゲられたんだろ。天ぷら屋だからな。」とオチを言ってしまう。
    オチを言いたいがために話していた八五郎が落ち込んでいると、友達が言い出す。
    「このあとの話を知ってるか?竹さんのかみさん、亭主が死んで、尼さんになってしまったらしいぞ。」
    「どうして?」

    「元が天ぷら屋のかみさんだけあって、衣をつけたがらぁ。」


     この噺は新聞記事がテーマになっているせいか、なんだか新しい感じのする噺であります。といっても、この噺が出来たのは昭和の初めのころだそうで、立派な古典落語となるわけです。が、演じ方によっては今現在の話として演じることができるようなネタですね。
     実際にこのネタは、古今亭志ん五師匠の映像をテレビで観たのが初めてだと思うんですが、その時は新作落語だと思ったくらいです。
     このネタは今の正蔵師匠がよく演じているようで、今まで2回ほど寄席で聴いた記憶がありますね。ちなみに『落語CD&DVD名盤案内』にこのネタが載っていないことから、音源ではあまり残っていないみたいですね。

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